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Part Three: 色版と摺り

薄い墨を使って、ほどむら紙に何枚か摺ります。予測する色判の数だけ摺りました。(念のためにちょっと余分に)それから蛍光マーカーを使って、それぞれの版木の浮き彫りにする部分に色を付けていきます。今回は、色版として次の8色分が必要となります。

  • 薄暗い空
  • 四手(しで
  • 太陽と木の幹(同じ版木を使います)
  • 鳥居
  • 松葉
  • カラス
  • 羽の部分の空摺り用


これは共合摺りの拡大写真です。黄色を使ったのは目立つからで、もちろん最終段階の色ではありません。

共合はそのあと版木にそれぞれ貼り付けていきます。その中で、カラスと羽の模様は使用する面積が狭いので、一枚の版木になんとかおさめることができました。こうして、7枚の紙全てを3枚の版木に貼りました。(版木の裏表を使いましたから)


これは、まだ紙を洗い流していない状態ですが、彫り終えた色版です。朝から始めて1日中作業をしましたが、夜になっても最後の一枚が終りになりませんでした。残りを今朝終えたところです。墨版はとても大切なので、あとから反りがでないよう、裏は使っていませんが、色版は両面共使います。

もしも、ちょっとでも反りが出てしまったら、熱いお湯に漬けたタオルを載せてへこんだ表面を修復します。写真の右上の方に2色の部分が彫り残されているのが見えますか...頭としっぽが互い違いになって...


さて、摺りの始まりです。これば深緑色の松葉用の版木です。顔料はほとんどが透過性であるため、版木の色が透けて見えてしまいます。ですから、最終的にどんな色が表に出るかはこの段階ではわかりにくいのです。今は版木の色が背景に出ていますが、仕上がりでは紙の色が背景になります。

摺り方はいたって単純です。版木の表面にのりをちょっと落とし、次に絵具をちょっぴり落として刷毛で混ぜます。(写真参照)  充分に混ざり均等になったら、刷毛筋を消すために軽くさっと払います。


紙の表を下にして版木の上に置きます。(実際この作業は両手でするのですが、片方の手はカメラを持っているんです!) 私の親指は、角にある見当にぴたりと当てた紙の上を押さえています。

紙の裏にどのくらい絵具が染みているか見て下さい。バレンの圧力でのりと混った絵具が紙の繊維を突き抜けて表面に出てきています。今回は浮き出しがはっきり出るように、かなり厚い紙を使っていますが、それでも絵具はこのように浸透してきているのです。


バレンの動きは小さく、しかもきっちりと円を描いていきますが、摺る面全体にしっかり力が加わるように大きな円にも描いていきます。かなりな力が加わりますから、紙が湿っていることを考えると、擦られて潰れてしまわないのが不思議なくらいです。

摺りの続く間、紙は常に湿った状態にしておきます。紙が乾いていると、顔料は紙にしっかり浸透していきませんし、また、絵具の水分を吸って膨張するので、その後の色を摺るときに見当が合わなくなります。


色版の最後は羽の模様のための空摺りです。この版木には、のりも顔料も使いません。線が浮き出るようバレンできつく擦り、その後からカラスの姿がくっきり浮き出るように指でもこすります。(これは技術的には空摺りではなく、きめ出しと言います)

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