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「自然の中に心を遊ばせて」 : 第九章 : 冬の海

「夏に来たとき、テントのすぐ前の海上には大な岩が突き出ていて、そこに波がぶつかって弾けていたが、今日も同じように岩はぐっしょり濡れている。波がぶち当たるのを見ながら、その周期性を捉えようと観察する。飛沫が立つほど強い波が数分間来ないでいると、その後いくつかの大きな波が来て砕け、泡のような海水を、岩の背後にあるプールへ滝のように流す。見ていると、海に面した防波堤に立っている人が、こういった海の状態を見て容易にだまされるということが分かってくる。楽しく波の様子を眺めていると、突然自分を飲み込むほど大きな波に直面して襲われる。こういった事故については繰り返し新聞で読むけれど、僕はそんな記事を提供するつもりはないから、ここにいる間「危険ゾーン」からは十分離れていることにしよう。」