「自然の中に心を遊ばせて」 : 第八章 : 冬の森
「目に入ってきた景色を表現するのにピッタリな言葉は、「すごい!」の一言。どこもかしこも雪だらけ。どの木もすっぽり雪に包まれ、どの大枝も細い小枝も雪の中。テント入り口のすぐ前にぶら下がっている枝を見ると(昨夜こんな枝がここにあったっけ?)たくさんの雪がくっついていて、最も細い小枝でも太さが三センチ以上に膨らんでいる。また雪は、水平な面全てに積もっているだけでなく、垂直に伸びる幹にもくっついているのだ。ここから見るかぎり、どの木もまるで幹肌が見えない。見渡す限り、ほぼ一帯が白で覆われている。空を見上げると、雲一つない快晴! なんて運がいいんだ!」