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November 25, 2006 - Tutorial on Printing 'Silver' Powder

このページにある一連の写真は、着物の柄にある銀色の模様に金属粉を使う工程を示したものです。この部分は光沢があり、とてもデリケートなので、後からの摺で損なわれてしまわないよう、一番最後に行います。 まず、金属粉が貼り付くよう、油性インクを用います。

ネズミ色のインクをローラーを使って版木の上に付け、それから通常通りバレンで摺ります。このインクは不透明なので、着物の地色である朱色は覆われてしまいます。

粉が不要な部分についてしまうと、後から除くことが難しいので、そうならないように、マイラープラスチックを花びらの形に切り抜いてマスキングを作ります。それを版画の上に置いて、ほんの少しの粉をそこに載せます。銀色を出すためには、色々な方法を試してみた結果、雲母とチタンのとても細かな粉末を使うことにしました。ネズミ色の上に雲母を載せると、とてもアンティークな雰囲気が出てきます。本物の銀を使うと、すぐに酸化して変色してしまいますが、この方法だと、かなり長い年月光沢を保つことができると思います。

それから、毛足が短く腰のある刷毛を使って、インクの付いた部分に広げます。粉がしっかり付いたら、和紙を持ち上げて余分な粉をふるいおとします。

その後、手持ちの中で一番柔らかい刷毛を使って、模様の周りに付いた非常に細かな粉も払います。

ぴったりと見当が合っていて、とてもきれいでくっきりとした模様になりました。見る角度を変えると、光の反射具合が変わって違った味わいが楽しめます。