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August 4, 2006


この作品を作るためには、様々な版木を用意しなくてはならないことがお分かりになることでしょう。広い範囲に色を付けるための版木、形を示すための線用のもの、そして着物の柄用にはとてもたくさんの版木を用意しました。

1枚の版木を最初に彫る時には、削られて新たに出て来た部分はすべて、暫くの間空気にさらされるようにしなくてはなりません。ですから、それを棚の一部に重ねて置くようなことはせず、壁に立てかけるようにしておきます。一度に摺る領域がいくつになるのか、それは自分でもはっきりわかりません。

版木の数は、もちろん承知しています(13枚)が、摺る領域は別なのです。今回は、非常にたくさんの色を使うので、ひとつの版木に違う色を一緒に彫ることができます。色分けを記した手元の資料では、唇のように小さな部分から背景のように広い範囲まで、42色の領域があることになっています。