デービッド・ブルが発行している季刊誌「百人一緒」に掲載された記事です。

ここに、バックナンバーがすべて集めてありますので、号数あるいはテーマ別分類から、選んでお読みください。

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木版館スタッフ

木版館のメンバーについて最後に更新をしたのはかなり以前になりました。現在は私が名前を覚えられないほどに増えたので、みなさんにも最新情報をお伝えして覚えていただきましょう。現在は次のような構成です。

摺り部門

對馬康恵さん

1年前にご紹介した人です。この工房で最初に摺師見習いを始めました。3人の子持ちなので(そのうち2人は就学前児童)、週に数回しか来ることができませんが、その限られた時間の中でも腕を上げています。実際、彼女の摺った何百枚もの版画が、すでにお客様の元に届けられています。彼女のファンもいることですから、製作数が年々増えていくことを期待しましょう!

藤井提子さん

この方は、アメリカにいる版画家の友人からの紹介で、来るようになりました。彼女は学生なので、学業もあるため週に限られた日数しか来る事ができません。でも、今年の秋からはここでの作業にもっと集中できるようになるでしょう。ここで摺師見習いをしながら、ホームページの日本語版製作など、他の仕事の分担もしています。

宮下歩美さん

彼女は普通の十代の子たちとはちょっと違っています。今年の春に北海道の高校を卒業した後、より大きなチャンスを求めて上京しました。そう、伝統木版画をしたかったのです!彼女の主な興味はバレン(摺りをするのに最も重要な道具)の作り方ですが、その使い方を知るのも大切なことです。という訳で、週の数日を工房の摺台に向かって過ごしています。

石川陽子さん

彫師の朝香さん(以前ご紹介したことがあります)の紹介で来るようになりました。彼女は朝香さんのところで彫りの修行をし、私のところで摺りを学んでいます。私としては、ひとつに集中して欲しいのですが、自身の過去を考えると彼女のやり方に口出しはできなくなります。

石田奈々美さん

この工房で一番若いスタッフです。ナナミちゃんはまだ学業があるので、不規則に時々来るだけです。まだ学生なので、お小遣い稼ぎを目的に来るようになりました。ところが、彼女が予想していた以上に摺りの仕事は面白く、もっと真剣にやってみようかと考え始めて……。

その他の人たち

安井菊江さん(左)

ここでは、基本的に2つの部門が進行しています。私自身が製作する予約販売制の作品(彫りも摺りもすべて私)と、木版館部門(私以外の人が摺る)です。そのため最近は、発送する版画がたくさんあります。そうした作品を包装して発送するのが、彼女の仕事です。もう1年以上も手伝ってくれています。発送先は世界中ですし、注文はいろいろな組み合わせの事が多いのですが、時として分かりにくい私の指示でも注意深く処理してくれています。

石上説子さん(右)

彼女は先月から新しい仕事を任されています。新作のチビ・ヒーローズの管理担当です。彼女は、乾燥用の厚紙に挟んである版画を集め、点検して縁切りをし、その後、保護用の紙に差し込みます。発送日が近づくと、何百枚もの版画が希望者に発送されているかを確認するのも仕事です。このシリーズが進展すると、目の回る忙しさになるでしょう!

外部の摺師

沼辺伸吉さん

キックスターターによる支援者からの注文が大量になったために、摺りの作業をすべてこの工房でするのは不可能になりました。幸運に恵まれなかったら、私たちは暗礁に乗り上げていたところです。つまり、長年の友人でもある摺師の沼辺さんが、秋から摺りの仕事を一部引き受けてくださったのです。(日本国内での版画出版事業はあまり振るわない実情です。)私はすぐ彼に問い合わせ、摺りを依頼しました。彼は、希望者たちの要求を満たすため大いに貢献してくれて、素晴らしい版画がたくさん仕上がりました。ここしばらくは、彼が手伝ってくれるといいのですが……。

鉄井裕和さん

沼辺さんひとりで「外部摺師」としての役目は果たせそうですが、キックスターターで得たせっかくの機会なので、他の人たちとも仕事を分かつ方がいいと思います。それで、鉄井さんにもこの企画に加わってもらうようお願いしました。彼については昨年、せせらぎスタジオで企画製作することになった版画の摺りをお願いし、そのことについてこのニュースレターでご紹介しています。今回も非常に良い仕事をしてくれ、浮世絵ヒーローズの仕事で再び参加してもらえたことをとても嬉しく思っています。

これが現況です。常勤の人はいませんが、私が9人の生活を助けているとは、何とも驚きです!毎月末の私の懐が空になるのも、うなずけるというものです!

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