デービッド・ブルが発行している季刊誌「百人一緒」に掲載された記事です。

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2011年収支決算報告

春号なので、いつものように「企業の年頭教書報告」をします。いつもですと、自分が取り上げられた様々な記事などのご紹介や展示会の報告をし、それから会計報告となります。でも今回のこのコーナーは、かなり短くなります。昨年は展示会をしませんでしたし、メディアからは完全に無視されてしまいました。(「日本的なことをする外国人」というステレオタイプの話題は、もう陳腐になってしまったのです!)

でも、3番目の報告はなくなりません。昨年中は、新企業を立ち上げてたくさんのことが進行していますから、面白い結果が見られます。本題に直行しましょう。昨年は赤字? それとも黒字?

両方です! 私自身が制作した作品の定期購入者には、1,670枚の作品を発送し、かなり良い数値を示しています。

  • 収入: 5,492,127円
  • 支出: 2,433,363円
  • 利益: 3,048,764円

一方、木版館事業の方は、かなり困難な状態です。販売したのは、版画が236枚と電子書籍が267冊なので、結果は次のようになります。

  • 収入: 1,082,057円
  • 支出: 2,034,267円
  • 損益: (-) 952,210円

結果はすべて、1年前にこのコーナーで書いた私の計画通りになっています。私の作品の予約販売が順調にいけば、その収益を木版館事業の方に使うつもりでした。

計画の最初の段階(投資)は、順調です。私が費やした約200万円はほとんど、私と共に様々な新企画のために働いた若者たちに支払いました。これからの1年間は、次の段階に繋がっていくことが望まれます。それは、収益を得るということです!

事がなかなか順調に運ばない理由はふたつあります。1つ目は、新規事業には初期投資としての費用が短期間に必要となること、そして、全てがうまっくいっても、確実な収入はゆっくりと長期に渡って続くということです。企業設立には、親しい銀行員の友達がいなくてはなりませんが、私の身近にはそのような人がいません。資金源はすべて私の懐から出るのです。

この事情が2つ目の理由に繋がって行きます。私の版画の予約販売による収入が、ほぼ全ての資金源であるため、こちらの実績が良いことが必須です。ところが、私は木版館のスタッフと多大な時間を費やしているので、自分自身の制作はどんどん遅れていくばかりで、予約販売による収入がなかなか入らないのです。美の謎シリーズの最後の作品を発送したのは1月ですが、新しい「日本の美術」シリーズは4月の半ば(末)にならないと出来上がりません。2月と3月の収入はほぼゼロでした。

でも愚痴はなしです! お話したように、これは全て計画通りの経過なのですから。未来は誰にも予測できません。意図した所に到達するかも知れませんが、別の所に行ってしまうかもしれません。また、完全な失敗に終わるかも知れません。でもとにかく、私たちは楽しくやっていますし、社会に何か価値を付加してもいますし、限りある材料のことも考慮しています。これ以上、何を要求できるでしょうか。

もしも、私たちの活動を支えてくださるお気持ちがありましたら、最善の方法は、現在の「日本の美術」シリーズを予約してくださることです。これが基礎となって、その他すべての計画が成立するのです。御協力に感謝します!

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