デービッド・ブルが発行している季刊誌「百人一緒」に掲載された記事です。

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工房の内装......遂に再開

このニュースレターには、繰り返し登場する話題があります。あるテーマが継続している場合に、その最新情報をシリーズ形式でお伝えするためです。この記事が丁度それに当たりますが、今までの経過を忘れてしまった読者の方が、たくさんいらっしゃるかも知れませんね!

私たちの工房の内装経過をご報告する時期なのです。(前回は「私の工房」と書いたように記憶していますが!)

ここ数年は、まるで壊れたレコードみたいな繰り返しでした。「... 冬の到来までに、この部屋がしっかり断熱されればいいのですが」と。でも、「人生ままならず」という訳で内装はいつも後回しでした。

でも、今年は状況が違います。この場所を使うのは、もう私ひとりではないからです。自分だけならばいい加減にできることも、他の人が関わるとなれば話は別。という訳で、数日前に一念発起して必要な材料を注文しました。そしてある朝、助手を務める女性たちにこう宣言したのです。「今日は摺の仕事を中止。ここにある道具を使って、別の作業開始!」

對馬さんと石上さんは、建築に関わる作業をした経験がまるでないので、大工仕事は私がしました。(上の写真は、階段を取り付ける枠です。)でも、彼らにも出来る事はたくさんあります。下の写真では、私が作ったばかりの棚を對馬さんが塗装していますし、トップページにある写真では、剥き出しのコンクリートの梁に断熱材を固定する作業を石上さんが手伝っています。

工事道具を片付けて、再びバレンを手に作業をする前に、とにかく断熱材で表面を覆うところまで終えました。その夜、私は摺台の前で仕事をしたのですが、外気温が13度まで下がったにもかかわらず、室内温度は快適な20度を保っていました。真冬が到来して、外の気温がグンと下がったら、小さな電気温風器を使うつもりです。きっと工房内は心地よい暖かさを保つことでしょう。

残っている作業は? ご覧の通り、階段はまだ出来上がっていませんから、この開口部は少なくとも来春までは閉じておくことになるでしょう。(それまでは、外部階段を使い続けます。)次にしなくてはならない大工事は、通信関連のコードを全部きちんと処理する作業です。インターネット用のワイヤー、電話線、インターフォン回線、電線、オーディオ用の線。こういったコード類は、今も天井からぶら下がったままなので、分類してきちんと専用のパイプにまとめなくてはなりません。

断熱材は--しかるべき場所にあるので、そのままでも十分なのですが--剥き出しです。どんな壁材で覆うかを決定しなくては、注文もできませんね。

ま、そんな「細部」はともあれ、快適な作業空間はひとまず確保できた訳ですから、素晴らしい木版画を生み出す仕事に、一同復帰です!

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