デービッド・ブルが発行している季刊誌「百人一緒」に掲載された記事です。

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「美の謎」

「自然の中に...」シリーズが終わりに近づいていた昨年の暮れ、私は後に続く企画を決めなくてはなりませんでした。制作に向いている思う作品を集めたファイルにはたくさんの版画が集まっていましたから、案を思いつくのに問題はなかったのですが、難しかったのはどの案を選ぶかということでした。

最近私が頻繁に受ける質問は、次の企画がオリジナルか復刻かということです。答えは両方です(だと思うんですが)。でも、昔の作品の復刻あるいは改作が主になります。なぜなら、しばらくの間は緻密な技法に集中したいためで、そのためには昔の作品を手がけるのが一番いいからです。

また昨今は、世界的に経済状況が良くないので、収集家の方たちの経済的負担を少なくしたいと思いました。加えて、全シリーズは3年もかかったので、次回はもっと短期間にしたかったという希望もありました。

こういった様々な要素を考慮して考えついたのが、数年前に制作した「版画玉手箱」シリーズですが、今回は以下のことに重点を置いています。

  • 毎月1枚を制作する
  • 大きさは小判サイズ(およそ13.5cm x 20cm)
  • 収納を兼ねた飾り台は、手作りの桐箱(ニス仕上げ)
  • 副題を「美の謎」と名付けて、毎回作品の中で使われている伝統技法や浮世絵についてなどの説明をする

この記事を書いている現在は、第3作目に没頭していますが、最初の2作を手にした収集家たちからの反応はとても好意的です。もちろん私の耳に入るのは偏った情報に限られていることでしょうが、まずまずの船出でしょう!

まだ予約をしていない方、どうか考えてみてください。きっとご満足いただけるシリーズだと思いますよ!

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