デービッド・ブルが発行している季刊誌「百人一緒」に掲載された記事です。

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2009年収支決算報告

恒例の決算報告、今回は過去数年にも増してお恥ずかしい結果です!

今回は前ページにグラフを追加してみました。これを見ると、20年来経験したことのないほど収入(総収入も実質収入も)が落ち込んでいます。この表をご覧になるとお分かりのように、税金や保険などを差し引くと完全に赤字財政です。ですから、支払を延期することによって、かろうじてその場を凌いでいるのが実情です。(昨年の春に私のパソコンに不具合を生じた折りには、両親の援助で新品を購入することができました!)

でも、考えてみると奇妙です。私は伝統木版画家としては成功をしています。多くの工芸家や芸術家の生計が成り立たなくなっているという時勢なのに、毎年世界中に何百枚という作品を送り出し、収集家からはとても喜ばれているのですから。問題は、制作にかかる費用が高いのに作品の価格が低いため、いつも苦しい財政難に陥るのです。

これを解決する「明確」な策は、いつもたくさんの人が助言してくれるように、価格を上げることです。でも、私はこれが答えになるとは思っていません。理由のひとつは、価格をあげれば購入者が減るだろうということです。値上げは収益減に繋がると見るのです。

必要なのは、それよりも、より多くの人が作品を購入するということです.私は200枚ずつ作品を作っていますから、それだけの費用が掛かります。でも現実には、その半分以下の人しか収集をしていないのです。つまり、200枚分の費用を掛けて、収入は100枚分です。

ですから解決策は単純です。私がもっと営業に力を入れて、この素晴らしい木版画を集めないのは大変な好機を逃しているのだ、ということを多くの人たちに知らせることなんです!

物事がこれほど単純ならねえ!

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