デービッド・ブルが発行している季刊誌「百人一緒」に掲載された記事です。

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ファミリーニュース ... 2007の夏

日本にやってきて最初の数年間は、仕事と家族のことでとても忙しく、外国に住む両親を訪ねることはなかなかできませんでした。私の時間に追われる暮らしは今も相変わらずですが、気ままな一人暮らしをしているので、ここ数年は毎夏カナダに飛んで家族と一緒の時間を過ごすようにしています。ドイツに住む弟と予定を合わせ、彼は東(ドイツ)から私は西(日本)から、地球を回ってバンクーバーに集合しました。

私が着く2週間前に、長女の日実一家はルーマニアから戻ったばかりでした。妹のシェリーはバンクーバーに住んでいますし、次女の富実は地元の大学に通っているということで、1人も欠けることなく家族全員大集合でした。

孫のアレックスは、一人歩きができる直前の段階です。前ページの写真は、みんながサイモンおじさんの料理を楽しんでいる時に、まだ支えが必要なアレックスが富実おばさんにつかまって立っているところです。近頃タイに行く事の多いサイモンは、毎年タイ料理を振る舞ってくれるのですが、今年の「ライムチキン」は今までで最高でした!


左の写真は、チビがおじいちゃんとひいおじいちゃんと一緒のところです。こうしていても、自分が祖父になったという感じはあまり強くありません。アレックスがもっと近くに住んでいて頻繁に会えるようだと違うのでしょうが、1年に1週間だけの出会いでは、どうしても実感がわかないようです。


「おじいさん」という言葉で思い出したのですが、バンクーバー最後の日にちょっとしたショックを感じました。空港へ向う前に、例によって大勢で朝食を食べに行ってメニューを見ていると、「シニア」用の献立が載っている特別ページがあったのです。そこには、55歳以上の人が該当すると書かれていて、自分がその範囲に含まらていました!

日本でも、貞子と私が映画に行くと割引を受けることがありますが、「シニア」という名称の中に自分が含まれて別扱いされる経験は初めてのことだったのです。え、そのページから注文したか、ですか?え〜と、はいしました。他のページにあるメニューの写真を見ると、どれも山盛りの量で私には食べきれそうもなく、シニア用は自分にぴったりだったのです。ちょっぴり溜息が出ましたが、事実ですからしかたありませんね。

家族全員とても楽しい一週間をすごした後、サイモンと私はそれぞれの家に海を越えて戻ったのですが、私達が帰る直前、両親を説得して彼らのパソコンを新しい機種に変えることに成功しました。御陰で両親は、iMacを使ってテレビ電話ができるようになりました。私は帰国後すぐに試してみましたが、ここ青梅の自宅で遥かバンクーバーに暮らす家族と顔を見ながら話ができるのは素晴らしい事です。アレックスには、家族と完全に離ればなれで暮らす事がどんなものかを知るチャンスはないことでしょう。


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