デービッド・ブルが発行している季刊誌「百人一緒」に掲載された記事です。

ここに、バックナンバーがすべて集めてありますので、号数あるいはテーマ別分類から、選んでお読みください。

41号から最新号まで

1号から40号まで



Categories:

展示会報告

前回に較べると、なんても大きな変化です。なにしろ、24作だったのが1作にと、しっかり鑑賞するには多すぎる数から物足りない数になってしまったのですから。私自身は、枚数こそ限定されたものの、質で十分補ったと思っているのですが!

さて、焦点となったのは、もちろん懐月堂安度の掛軸です。2006年内にすべて制作を終えるつもりだったのですが、年末が近づくにつれ、期限内に終了するのは無理なことがはっきりしてきました。ギャラリーの予約は数年前に日程が決まっていて、動かすことはできません。残された道はひとつだけ、とりあえず数枚を仕上げて展示することにしました。そして、予約をなさった収集家の方たちへの作品は、展示会終了後に制作することにしたのです。

作品そのものがいくら豪華で見ごたえがあるといっても、同じ場所に立ち止まったまま、長い間ひとつの作品だけを見るというわけにはいきません。それで、間を持たせるために全制作工程を示すパネルを準備しました。(展示会にいらっしゃらなかった方たちのために、この号では、その要約を掲載しています。)

展示会に出品したのは、掛軸一点だけではありません。「版画小品集」として制作した過去の年賀状10枚を並べましたし、奥の部屋には今までの作品に加えて、新たに「木版館」から出版を始めた版画も展示販売しました。ここは、年毎に商品の数が増える常設コーナーとなってゆくこと間違いなしです。

開催初日は、いつも頭の痛い思いで迎えます。交通会館の利用規程のために、すべての展示を当日の朝にしなくてはなりませんし、ギャラリートークをするためには最も理にかなった日でもあるため、私にとって1年で最も忙しく大変な日曜日となるからです!でも、ひとたび戦場もどきの日が過ぎれば、後はゆったりとした日が続きます。会場を訪れる友人や収集家の方たちと、のんびりおしゃべりを楽しめますし、摺の作業を何週間も続けた後の一週間は、ちょっとした「休息」のひと時にもなるからです。

また、展示場内には、例年通り次の企画を紹介する一角を設け、「自然の中に心を遊ばせて」と題した企画の説明パネルと申し込み用紙を準備しました。この企画は、夏になるまで開始できないのですが、来場者の反応は比較的良かったので、まずはひと安心といったところです。

そんなわけで、第18回の展示会はすでに過去の記録に加わっています。ところで、来年はどんな作品が会場の壁面を飾るのでしょうか。きっとあっという間に時が過ぎて、気付いたらもう展示会、なんですよ!

コメントする