私にとっては「株主」とも言える収集家の方達に、恒例の報告をする時です。考えてみると、「まだ続けていますよ!」という報告かもしれません。今、昨年の記録を見ながら、この記事を書いているのですが、過去1年でどのように変化したかを列記すると分り易いかも知れません。
- 2004年:主となる企画「四季の美人」は、収入の27%、過去の作品からの収入で、かろうじて沈没をまぬがれました。
- 2005年:主となる企画「版画玉手箱」は、2倍に伸びて収入の56%、残りは過去の作品が補っています。版画玉手箱の企画は大成功でした。
- 2004年:1235枚の版画を送り出しました。一日当たり3.4枚の計算になります。
- 2005年:3488枚の版画を送り出しました。 版画玉手箱は枚数が多かったためです。一日当たり9.6枚の計算になります。とても忙しい年でした。
- 2004年:海外からの注文は、枚数では約半分を占めるほどになりましたが、収入の23%にすぎません。これは、単価の高い百人一首の顧客が主に日本の人達だからです。
- 2005年:海外からの注文による収入は、40%にまで伸びました。これは、版画玉手箱が外国の人達に人気があったからでもありますが、私のインターネット販売が着実に成長している結果でもあります。
- 2004年:厳しい年でした。四季の美人は売れ行きが悪かったにもかかわらず、高い制作費用は負担しなければならなかったからです。
- 2005年:事情は逆転しました。版画玉手箱の売れ行きが良かったため、経済的なピンチから脱却し、表にもありますように、主な費用を差し引いた後に残額があったのです。なかったのは時間で、このピンチは制作予定のせいでした。玄関から一作を発送すると、すぐに次の作品に取り掛からなくてはならなかったからです。愚痴を言っているのではありません、計画をたてた時点でこうなるとはっきり分っていたのですから。版画制作にどっぷり浸かる1年を望んでいて、まさにその通りの結果が来たわけです!
2005年の収支決算
数カ所を除いては、ほぼ昨年と同じ結果となっています。:
ー税金と健康保険の合計はかなり減っています。これは、非常の低かった前年の収入を基準に計算されたためです。(2005年の収入を基準に計算されている現在は、逆に跳ね上がっています):
ーこの年から、送料をいただくことにしたので、追加収入となっています。でも全部の送料が補われているわけではありません。昨年以前から過去の作品を収集し続けておられる方たちからは、戴いていないからです。それでも、収入面では大きな助けとなって、この収入があった御陰で昨年はお金の心配をせずに済みました。:
在庫状況
御購入可能な版画の最新情報です。
全百枚の場合のみですが、まだ在庫があります。また、以前購入された方が不足分をご希望になる場合に備えて、10枚ずつの集もいくつか用意してあります。
第1集は完売となりました。第2集はまだ数十セットですが、他の集はたくさん在庫があります。
まだたくさん在庫があります。
制作した200セットのうち、140セットが売れました。ご希望の方は、一括購入ができますが、制作年の方式と同じく、1枚ずつお集めになることもできます。
現在進行中の企画
この事業報告は、ちょっと遅くなり過ぎました。ここにある数字は、すべて昨年の状況を示したものです。続く1年は一体どうなって行くのでしょう?実は、大きく変化します。今まで継続していた1,000万円前後の総収入は、2005年で終わりになりそうです。
それは、翌年の企画を考えていた2005年の終わりに、はっきりと、お金の代わりに時間を選んだためです。1年間かけて懐月堂安度の掛軸を作るという、気の長い企画に取組むことに決めました。版画玉手箱のような人気を得る見込みはまずない企画だろうと、十分承知の上でした。今年の収入はぐんと下がるでしょう。その代わり、もっと落ち着いた気持ちで—幾らか緊張を解いて—版画制作に専念しています。毎日、長い時間仕事をしているのは同じですが、しょっちゅう締め切りに追われるという状況とは大違いです。
実際のところ、これはちょっと危険かもしれません。掛軸を制作する行程のそれぞれに必要な時間を注意深く計算し、展示会までに完成するようカレンダーに計画を書き入れてありますが、予定通り順調に進めてゆけるかどうかは、やってみなければわかりませんから。今までのところは、きっちり計画通り進行していますが、きっと12月が間近になったら、締め切りを目前に血眼になって仕事をすることなりそうです!
さあ、どうなることか!
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