デービッド・ブルが発行している季刊誌「百人一緒」に掲載された記事です。

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娘達その後

日実と富実をカナダに送り出してから、折に触れてこのニュースレターに何かを書くように頼んできました。ふたりがバンクーバーでどのような暮らしをしているのか、読者の方達にもお知らせしたかったからです。最初の数年はこの頼みに応じ、学校生活や日々の活動状況についてたくさん書いてくれました。でも、成長して自分達の事で忙しくなると、もうあまり関心を示してくれなくなったのです。おそらく、このニュースレターを読むことさえしないのでしょうから、記事を書くなどとうてい無理なことでしょう!

そんな訳で、私が彼女達の近況をという運びに...(近ごろは、頼んでも写真すら送って来ない!)

富実は18才、この秋からバンクーバーの大学に通っています。昨年、彼女の仕事について書きましたが、インターネット上の店を開いて古い版画を販売していました。売れ行きは好調だったのですが、現在は店を閉めています。高校を卒業した時点で、この仕事の分野を広げるのでなく大学に行くことに決め、現在は勉強に専念しているからです。

彼女はまだ、どんな職業をめざすかは決めていません。様々な分野を開拓し、友達を増やし、世界に向けての視野を広げながら大学生活を送るうちに、これという何かを掴むと良いと願っています。

真面目に勉強しつつ友達との付き合いも結構うまくやるという風で、同じ年令の頃の私と較べると富美の方はずっとバランスがとれています。(私は、どちらの方もあまりうまくできませんでした!)通っているのは公立大学ですから、経済的負担は軽く済んでいます。親として彼女の教育に援助できるのは嬉しいことで、そのうち何を見い出すのか楽しみに見守っています。

日実の方は20才、どちらの国(日本とカナダ)にあっても法的に成人で、ほぼ「親元から飛び出した」状態と言えるでしょう。大学なんぞはまるで眼中にないまま落ち着き所を捜していましたが、遂に「落ち着いて」くれました。1年程前のことですが、興味のある美容について勉強する学校に行き、ネイルアーティストとしての資格を得ました。誰とでも気軽に話のできる快活な性格の彼女にはもってこいの職業です。

バンクーバーで仕事を見つけるのはなかなか難しいので、情報網を広範囲に拡大した結果、今年の夏に就職が決まりました。たくさんのクルーズ船で美容サロンを経営している会社です。こうして記事を書いている今、彼女はインスピレーション号という、西カリブ海を1週間で巡るカーニバルクルーズで仕事をしながら暮らしています。今日は木曜日ですから、この船はケイマン諸島を出発してメキシコのコスメルを航行しているはずです!

彼女はあまりメールを送ってきませんが、仕方ないですよね。日中は絶えまないお客さんを相手にサロンで目一杯仕事をし、夜は船で働く他の連中と船底の部屋で楽しく過ごすというように、生活を満喫していることでしょう!写真があると良いのですが、1枚もないとは残念です。もしも旅行パンフレットがありましたら、景観を御覧になる事ができるでしょう、焼け付くようなカリブの太陽、青い海... 船の外に首を出して楽しむ時間が、日実ちゃんにもあると良いのですが!

父親として、ふたりのベィビーがこうして成長するのは、嬉しい限りです!

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