デービッド・ブルが発行している季刊誌「百人一緒」に掲載された記事です。

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展示会の総括

「展示会報告」と題しましたが、実際は「収集家の紹介」とした方が良いのかもしれません!私は両方だと...

鈴木房江さんは、埼玉県の中央にある東松山市にお住まいで、今まで私が制作してきた作品の全セットを、なんとか御自分の本棚に場所を見つけて、熱心に私の活動を支えてくださっている、そんな方々のおひとりです。百人一首シリーズが4年前に終わって以来、彼女は、地元でこの作品を紹介する機会をずっと待っていました。そして今年の初め、彼女の知人が新たにギャラリーを開く事になったので、さっとチャンスをつかんで数週間の予約をしてしまいました。

鈴木さんは、市役所を早期退職なさっていますが、実情は、どの観点から見ても「退職」などしていません。「生涯教育」の強い支持者であるだけでなく、御自身が輝かしい模範となっておられ、もうすぐイギリスのノッティンガム大学で成人教育理論の学位を取得する予定です。(通信教育ではなく、選択する講議のある時には、その間イギリスに行きます。)

こういった活動全てが進行する中、展示会を計画して実行に移す時間があるなど、とても信じられなかったのですが、この意向を伝えていらした時にはただちに承諾しました。(所有している私の作品を展示するのに、私の許可が要るとも思えませんが!)彼女に展示用具や案内状を箱詰めにして送ると、友達を沢山集めて作業を手伝ってもらい、私の版画全てを、とても上手に工夫して展示なさったのです。比較的狭い空間なので、とても無理だろうと思っていたのに、やり遂げてしまいました。

それから、ほぼ3週間の会期中、毎日会場に詰めて、来場者達に熱心な説明をしておられました。加えて、この展示会は、特に販売を目的とした訳ではなかったのですが、彼女がとても情熱を込めて説明するので、私が新宿で1月に開催した、もっと大規模の展示会よりも多くの方々が、収集家となったのです!

会期最後の週末には、私も会場に行きましたが、彼女が来場者に話をするのを見ていると、これほどの成功を納めた理由が分ってきました。鈴木さんは、多くの事に意欲的で、かつ数々の業績を積んでおられるので、地元でたくさんの人達の尊敬を勝ち得ているのです。

鈴木さん、私の作品の価値を認めてくださり、たくさんの人々に作品を知らせる助けとなってくださってありがとうございました。でも、スクーターで遠距離を疾走する時には、どうか気を付けてください。長野県の白馬まで乗っていき、山に登って高山植物を見に行くのだとお聞きした時には、心配で緊張しましたよ。でも、時折こうして息抜きなさっているのだと思うと、嬉しくなりましたが! 

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