デービッド・ブルが発行している季刊誌「百人一緒」に掲載された記事です。

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スタジオ便り

前回の号には、このコーナーがありませんでした。地下2階の工事が休止していたわけではないのですが!冬号では、内壁を張る下地となる骨組みの写真を載せましたが、今回は外壁です....

当然のことながら、私は2×4方式で作っていくつもりですが、強力な断熱効果が必要なために、柱材は6インチになりそうです(15㎝の断熱材が入るようにです)。外壁は、面が直角に交わっていないので、ふつうの場合よりもちょっと手こずりましたが、結構楽しんで作ることができました。

取り付けた窓については、ちょっとした話があります!この改装を計画している時、最大手のサッシメーカーのショールームに行きました。価格を調べるためです。国産とアメリカからの輸入物の見本を見て回ってから、相談コーナーに腰を落ち着けて、係りの人に見積りをお願いしました。ところが、これは完全なお笑い種でした。予算総額の段階まで話が行き着かないうちに、呆れて席を立ち上がってしまったのですから!最初の衝撃は、大まかな窓の大きさを伝えて、概算をしてもらった時に来ました。凄い値段で、40〜50万だったかと思いますが、相談係の女性が、「ガラスは、どちらのメーカーを御希望ですか?」と聞いてきた時には、もう "お手上げ" でした。私が目をぱちくりさせているので、彼女は説明を加えてくれたのです。提示した価格は窓枠のサッシ部分だけで、続けて窓ガラスの話に入る所だったと....。

もう、こうなれば決断は明確、北米あたりから個人輸入するしかありません。家に戻ると早速、パソコンでインターネット検索をし、自分の要求を満たしてくれそうな会社に、片っ端から問い合わせました。その結果、カナダのオンタリオ州にあるサーモテク・ウインドウという小さな会社が、とても好い製品を作っていることがわかったのです。窓枠はアルミ(室内の熱を外部にすぐに逃してしまう)でも、ビニール(大きな窓には弱くて不適当)でもなく、ファイバーグラス入りの強化プラスチックでした。窓部分は3重ガラスで、間にはアルゴンガスが封入され、しかも、夜間に室内の熱が外部に放出しないよう、特殊コーティングがされています。こちらの要求寸法に応じて作ってくれますし、開閉窓には網戸も付いています。

日本向けにも発注するとのことで、窓4枚分の価格は1800米ドル、カナダの工場から横浜港まで約300ドルでした。これは、約238,000円、国内での見積もり(窓ガラス、送料その他の雑費を含まず)の半分です。

私は注文して、横浜港から連絡がくるのを心待ちにしました。それから数カ月、積み荷が港に到着すると、税関手続きと自宅までの運送手配に出かけていきました。追加費用が掛かったのは、当然です。

	13,000 円 ... 船下ろし費用
	 9,282 円 ... 3.9% の輸入税
	12,330 円 ... 5% の消費税
	18,000 円 ... 港から自宅までの搬送費用

総額はおよそ30万円、日本の一流商品の数分の1の価格で、頑丈かつ断熱効果抜群の最高級品を手に入れたことになります。実際に届いた商品を見てみると、なかなか良くできていました。とてもしっかりした出来で、3層ガラスは一体化していますし、開閉窓は密閉度が良くて、一旦掛けがねを下ろしてしまえば(心地の良い"カッチン"という音がするんです!)完全密封状態です。

何年か後に、地上部分を建て替える時が来たら、建築材料をキットで販売している北アメリカの建築会社を、インターネットで訪ねて買い物するのが楽しみです!

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