デービッド・ブルが発行している季刊誌「百人一緒」に掲載された記事です。

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展示会の総括

今年の展示会は、思いがけず、素晴らしい成功を収めました。「思いがけず」と言ったのは、「今年は『静かな』年になるだろうな」と思っていたからです。自分の仕事に対して悲観的になっていたわけではなく、マスコミの注目をあまり期待していなかったのです。例年と同様、いろいろなメディアに、展示会の知らせを送りはしましたが、雑誌や新聞の編集者は「これについては、来年、シリーズが完結してから扱おう。今年は必要ない」と考えるだろう、と思っていたのです。思ったとおり、ほとんどの編集者はそんなふうに考えたようで、私は来場者も多くないだろうと予想してい ました。

ところが、だいたいのマスコミはあまり注目してくれなかったのですが、私は「重要なのは量より質だ」ということを学びました!ある日の電話で私は、「展示会開催中の土曜日の早朝、NHKラジオの30分のインタビュー番組に出演してほしい」と依頼されました。もちろん喜んで引き受けました。そして番組の司会者とあれこれおしゃべりして楽しい時を過ごしましたが、その効果を別にそれほど期待してはいませんでした。ところがふたを開けてみると、その番組を聞いた後で、毎日何百人もの人が展示会に来てくれたのです−みんな、作品がどんなものなのかに興味をひかれて。

 

こういうことには、ラジオの方がテレビよりも有効な場合があるようです。テレビなら、版画を見ることができるし、わざわざ出掛けて行く必要はありません。しかし、ラジオでは何も見えないし、好奇心がかきたてられます。主にこの短いインタビューのおかげで、今年の展示会は今までで最も盛大なもののひとつとなりました。そして、版画を多くの人に見てもらえたし、いろいろな人と話をすることができ、そして又、新しい収集家の方が増えたという点でも、今年の展示会は素晴らしいも のでした。

そしてみなさんがこれを読んでおられる頃には、私は「最終コーナー」にさしかかっています−最後の10枚です!

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