デービッド・ブルが発行している季刊誌「百人一緒」に掲載された記事です。

ここに、バックナンバーがすべて集めてありますので、号数あるいはテーマ別分類から、選んでお読みください。

41号から最新号まで

1号から40号まで



Categories:

読者からの手紙

長野市に住むレベッカ・マルクから。ベッキーさんは、以前にも「収集家の紹介」の欄で、紹介させていただいたことがあります。今度は、彼女に書いてもらう番です。

私はこの壮大な企画の参加者となった日のことを鮮明に覚えています。私はジャパンタイムズを読んで参加することを決めたひとりです。私は日本文化の一側面として、百人一首に興味をもっていました。そして私は、木版画に対する深い理解からというよりも、この角度からこの企画に夢中になっていきました。

どうして私はこんなにも長い間、これに関わっているのでしょう? 多分、それは、私が自分の参加を芸術への一種の支援だと考えているからだろうと思います。私は、自分にはないものをもっている人を尊敬します。デービッドがこの企画に一心にうちこんでいる姿はちょっと驚異的です。私は、ばかなくらい一心不乱に、このような大変な仕事に取組む人は誰でも、金銭的及び精神的援助を受ける資格があると思います。そして私はまた、この展開を楽しんで見てきました。職人とこの企画の確かな進歩と発展を。だから私は、デービッドが時に実験をしたり、原作に忠実でないことをしても決して反対しません。彼が自分自身の創造的な何かを版画に少しでも付け加えはじめないのなら、それは息が詰まるようなものになってしまうでしょう。「がんばって、デービッド、決してやめないで!」

佐藤栄一様から

ブルさんによって、二百十四年も前の日本の文化がそのままの形で蘇って、現代の私たち日本人の生活から消えてしまった江戸時代の色彩が見事に再現された作品に感激しました。作品を拝見して、私はカナダ人のブルさんが独学でよくここまで、昔の日本の版画の技法を修得されたことに、ただ驚かされるばかりです。また、外国の方に江戸時代の版画をこのように身近かなものとした再現していただいたことに、日本人として心から感謝申しあげたいと思います。

十年にも及ぶ職人ブルさんの長大な版画制作が立派に成就されることを心より願っています。色々困難がおありかと思いますが、頑張って下さい。

跡見学園短期大学図書館の中井敏江様と高橋美枝子様から

永住権を得られて、おめでとうございます。『百人一緒』の最後に「私の国は...日本です。」とお書きになっていらっしゃるので心を打たれました。日本人の私たちもうれしいです。そして、私達ふたりはブルさんと同じにテレビを見ない暮らしをしていることをお知らせ申し上げます...

稲城市の田中房彦様から

早く『百人一緒』に歩みつづける日が来ることを節に望みます。私も百人分の一人になれたことに大きな喜びを感じています。

私の考えですが、全体的に深い色調で統一されているように思いましたが、作品の一、二ヶ所、朱、紫、みどりといった原色に近い色を加えますと作品全体がさらにひきしまり生きてくるように思いました。原画に忠実に再現されようとしている貴君の気持ちはよくわかりますが個人の工夫感覚で、オリジナリティに富んだよりよき作品ができますことを希望すると共に益々のご活躍を心よりお祈り致します。

羽村市の土井昭美様から

私が一番おもしろいと思った記事は第10号の「職人 対 Craftsman」 です。私は時々、西洋と日本の文化の違いについて夫と話をします。彼は言います。「西洋人は、どんな状況でも自分たちが正しいと考えているに違いない。例えば、彼らは日本人がくじらを食べることを認めない。一方、日本人のほうは、他の文化を尊重し、それらを許容する度量がある。でも、日本人はちょっと他の文化に対して寛容すぎるかもしれない...。」 私の意見は夫と全く同じではありません。私にはロンドンにペンフレンドがいますが、彼女は私たちの文化を尊重してくれています。私はデービッドさんもそうだと思います。デービッドさんは「日本人のやり方と西洋人のやり方は非常に異なっている」とはおっしゃっていますが、どちらが優れている、とはおっしゃっていません。私も同じ意見です。そして私は、日本人のやり方と西洋人のやり方とが同じ頭の中に、同じ手の中に同居しようとしているという、デービッドさんという人に、とても興味があります。

埼玉県大井町の川中恵美子様から

ブルさんの作品ができ上がるまでの過程を知ることができてますます作品への愛着がわいてきたように思います。様々なご苦労があることもよくわかりました。ブルさんのお部屋だけが現代の日本の社会からタイムスリップしたかのように思え、心休まる気がいたしました。日頃から、子供には、常に創造的な心を見失しなわないようにと心がけていくつもりです。ブルさんご一家にお会いしますますよい刺激になったと思います。

福井県の山口絹子様(和紙職人の奥様)

わが漉きし 紙に沁みゆく 色の美に 魅せらると言ひ来ぬ カナダの君が
賀状に版画のかるた画き来しテービットさん和紙たのむとあり
己が身をさいなむ病魔にうち勝つと 夫はひたすら 今日も紙漉く

アダチ版画研究所の安達以乍牟様から

「百人一緒」有難う御座います。御仕事と、その周辺を皆様に知ってもらう為の御努力に敬服してます。私達が行う事を貴方が実行して下さっている。感謝します。来永く続くことをお祈り致します。

コメントする