デービッド・ブルが発行している季刊誌「百人一緒」に掲載された記事です。

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金井清三郎さん

始めてから何年かたちました。彼は百人一首の完全なセットを作り上げようとしていますが、完成までには何年もかかるでしょう。働くのは夜で、一つ一つゆっくりと注意深く作り上げていきます。キーボードを使って。キーボード? 版画について話しているのではないですか?いいえ。今度は違います。 きょうは金井清三郎さんを訪ねてみましょう。 彼は、百人一首の歌に会うように作曲をしています。

約17年前に初めて、53の歌を創り終わりました。 作曲は彼の音楽と百人一首の歌との間のお見合のようなものだと私に話して下さいました。 彼は歌をいろいろな伴奏をともなったデュエットとして作曲し、私に下さったカセットでは男性と女性の声が競うことなく、共にメロディーを織りなしています。彼が言われるには、重要なのは『歌っていること』ではなく『メロディ』です。

この企画の最初の頃は割合早くスムースにいったけれど、最近ではだんだん難しくなってきたと話されます。私は、彼が百人一首音楽シリーズを完成させるであろうと信じますが、音楽にマッチさせるのに最もやさしいものから始めたことをたぶん後悔するでしょう。しかし彼は今ではより経験をつみ、音楽は彼の指からゆっくりと、しかし確実に一曲一曲できあがっていきます。時々演奏会を開きます。昨年はソロシンガーや伴奏者やロックグループ及びコーラスをともなった大きな演奏会が開かれました。

最近65才になられた金井さんは数年のうちに大きな建設会社を退職されるでしょう。そして、キーボードにもっと時間がさけるようになるのを楽しみにしていられるでしょう。私ももっと彼の音楽が聞けるのを楽しみにしています。というのは私が静かに彫りをする時のちょうどいい伴奏になるからです。半分以上終わりました。金井さんがんばって下さい。(私自身何回も言われていますので何と言えばいいかわかります!)

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