デービッド・ブルが発行している季刊誌「百人一緒」に掲載された記事です。

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海外版画実演

昨年の11月、12月は5年近い日本滞在で初めての旅行をして、とても楽しく過ごしました。11月には、毎年ロスアンジェルスで開かれる大きなイベントであるジャパンエキスポで、3日間木版画製作の実演をしてとてもいそがしかったです。今年は約8万人入り、私はその全員と話をしたように思います。私は日本から招かれた、人形職人、駒職人、紙漉き職人、二人の版画職人の一人でした。

この展示会は、トヨタやヤマハのような大会社から下は、え‥木版画製作まで、完全に日本の物でうずめられていました。もう一人の版画職人である、関健二氏と私は、大きく積み上げた紙の山を、ショー期間中に次々と全部摺りました。版画の作り方について、全部の方々が、ほんの少しでも知識を得て下さったとしたら嬉しく思います。もちろんほとんどの方々は、数分間ながめるだけで、次の所に移って行かれましたが、驚くほど多くの方々に、私の仕事のいろんな面におけるかなり細かいことまで説明することを求められました。 関氏と私は、いいコンビネーションでした‥‥彼は人々の期待する『本物』のイメージであり、一方私は、お客さんの理解出来る言葉で、私達のしていることについて説明することが出来ました。

ここ自宅の仕事場で私は、何時間も仕事台の前にあぐらをかいて座っていることに慣れてきてはいましたが、ロスアンジェルスのショーでは、初心者のようにひざが痛くなりました‥‥三日間休みなしで毎日10時間。

数日後、私達はシアトル、バンクーバーをさして列車で北へと向かいました。それはとても楽しい旅でした。列車はとても快適で、美しい景色の中を静かに進み、日本への帰途も、線路の旅であればいいなと思いました。バンクーバーではずっとスケールが小さなアートギャラリーでのプライベートパーティと翌日一日の実演をしました。

北アメリカの旅で一つおもしろかったことは、『どこで習うことが出来ますか』と聞かれた人の数でした。日本で何か実演をするときには、日本人の方々はじっと見ておられますが、アメリカではやりたがりました。いつの日かこの方法での版画製作が、日本で滅びてしまうとしても、世界の他の所で、熱心な人々によって生き残っていくであろう確信します。もちろんそれをやってみたい人々の全員が、技術のある職人にはなれないでしょうが、一般的なはばひろさがなければ、その技術を保っていくことは出来ません。この理由により、私は、出来る限り多く大衆の前に出ることを続けていきます。そしてそれにかかわりたい方々にたいして、誰にでも出来るだけ勇気づけ、援助したいと思います。どなたか新しい趣味をお探しですか。

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