版画玉手箱 #1


春の富士

ちょっと趣の変わった新シリーズ、「版画玉手箱」です。最初の作品は、版画の絵師としてはあまり知られていませんが、葛飾北斎の弟子であった蹄斎北馬(ていさいほくば)が、1820年に画いた作品です。私は、今まで富士山を題材とした版画を何枚か作ってきました。年賀状やこういった企画の最初に用いるには、とても相応しい絵です。こうして御一緒に富士山を訪ねるのは、これで最後にはならないでしょうが!

このシリーズは、全部で24枚です。今まで私が作ってきた、どのシリーズよりも数が多いので、1年の間には、かなり広範囲に渡る題材を期待できます。基本的には、このような風景が主体となりますが、人物・静物など、他の題材も色々と混じること請け合いです。版画のメインストリートを突き進んだりせず、裏街道を寄り道しながら行きますから。

今回は、まず最初に、飾り用にも使える版画の収納箱について御説明いたします。この箱を利用して作品を飾っていただいて良いのですが、御承知のように、版画は明るいところに長期間さらされることに耐えられません。普通の明かりのもとで、ほどほどの期間でしたら問題はありませんが、継続して何年もの間置き去りにされてしまうと、版画が傷みます。ましてや、窓際の直射日光の当たるところに置かれたりなどすれば、色が褪せてしまいます。ですから、置き場所には十分注意して頂きますよう、お願いします。

私は、机の上にあるパソコン用モニターの隣に置くつもりです。ここなら良く見えますし、直射日光も当たりません。新しい作品が自分の摺台から完成する隔週毎に、入れ替えをするのが楽しみです。1年間、きっと楽しめると思いますよ!

新企画への御参加、ありがとうございます!

David

平成17年1月31日