版画小品集 #1


カルタ

せせらぎスタジオからお送りする「版画小品集」へようこそ!昨年は「版画玉手箱」と題して24枚を制作し、とても好評を得ました。でも、このように大変な企画を2年続けるのは不可能なので、その代わり、もっと少ない10枚にしました。

昨年は、決まったテーマがありませんでしたが、今年はそれがあります。10枚とも、1990年から1999年にかけての年賀として、友人や収集家の方たちにお送りする挨拶状として制作したものです。

他の場所にも書いたことがありますが、私は干支に関心がありません。ですから、どの絵も特定の年と結びつくようなことはありません。また、作品の中には冬を感じさせるものがあるかも知れませんが、ほとんどは時期を選びません。でも、年間を通じて受け取っている間に、雪の場面が8月に届くなどといったことがありましたら、思いがけず涼しそうな絵が届いて良かったと思ってくださいね!

今回の作品を創作したのは、百人一首を10年かけて復刻をすると決めた最初の年が終わりに近づいている頃でした。ですから、このカルタに関連のある題材となっています。

カルタ取りゲームをしている時に、飛ばされた札が空中に舞っているかのように、何枚かの札を絵にしてみました。背景にある畳の目を彫るのを楽しんだことを思い出します。この版画を窓辺に持っていき、斜めにかざしてみると、畳の目がくっきりと浮き出て見えます。

今年の企画への参加、ありがとうございます。きっとお楽しみいただけることでしょう。では、また来月!

David