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日本の城

今シリーズ「最大」の作品かも知れません。何と言っても、白鷺城以上の物はご披露できないでしょうから!ご覧になってお分かりのように、大き過ぎて紙面に収めきれませんでした!

これは「日本の美術」シリーズですから、日本建築が欠かせないのは明白です。伝統文化に深く結びついた、特徴のある建築様式はたくさんあるので、建物は後に再び登場するかも知れません。私は、日本建築というテーマだけに限定にしても、1つのシリーズを構成することができると思っています。

日本在住の収集家ならば、修学旅行や個人旅行で一度はこの城を訪れたことがあるでしょう。私自身、初めてこの城を見たのは1982年の1月でした。初めての日本旅行で、「見逃せない」場所のリストに入れていたのです。あいにく霧雨模様の天気で、青空を背景に白くそびえ立つ城の姿を見る事はできませんでしたが、それでもかなり強い印象を受けたものです。

この作品をデザインするとき、城全体を描き出す「絵葉書」的な構図は取りたくありませんでした。そんな姿なら、いくらでも写真で撮れますから。私としては、複雑な建築様式や味わい深い形や文様を画いてみたく、中でも、高くそびえ立つ城の様子やその壮大さは、何としても表現したかったのです。

このように小さな版画に、これら全ての要素を詰め込むなどということは土台無理な話で、実行できたなどという自信はまったくありません。でも、版画作りは何と言っても楽しいものです。そして、まだ白鷺城を訪ねた事のない方がこの作品を見て、実際にこの壮大な建造物を目の当たりにしたいと思うかもしれない、などと願ってもいるのです。

David

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